園芸療法にあるように、観葉植物=緑は傷ついた人の心身を癒し回復を早めます。アメリカの病院で胆のう摘出手術後の患者を調べたところ、病室の窓からレンガ塀しか見えない病室の患者と樹木が見える病室の患者では、回復の度合いに明らかな違いがある事がわかりました。アメリカのペンシルバニア病院(200床)での調査結果です。胆のう摘出手術をした患者を、手術後に性別、年齢、喫煙の有無、体重などで偏らないようにして、窓からレンガしか見えない患者と落葉樹の緑が見える患者という2つに分け、23組46名からデータをとりました。その結果、鎮痛剤の要求度は緑の患者はレンガの患者に比べ、強い鎮痛剤の要求が低い。鎮痛剤投与回数にも違いが出る、また、看護婦の日誌評価が、緑の患者のほうが評価が高い等、精神状態に影響を与える事がわかり、寝たまま窓の外に緑が見える病院の建設がすすめられたそうです。何故、人が緑で安らぎ、癒され、外傷も痛みすら軽減されるのか未だ解明されていませんが、その成果を療養の分野に活かす園芸療法も国際的な広がりをみせています。